アメリカ トランプ大統領が、2025年2月4日からカナダ産品に対して25%の関税を課すとする大統領令を発令しました。関税の話が出てきたころから、カナダ国内では、地産(=カナダ産)のものを買おうという動きが加速しているように感じます。地産地消の動きを受けて、Product of Canada, Made in Canada, Grown in Canadaという3つの英単語を頻繁に見るようになりました。この3つの言葉の違いについて、この記事では解説しています。カナダ旅行・留学予定の方は参考になさってくださいね。

カナダ在住 6年目
Leco (れいこ)
- カナダ アルバータ州に高校留学(1年)。
- 留学先で出会った夫と20年後に国際結婚、永住権取得。
- カナダ アルバータ州 エドモントン在住 (2019年~)。
- 普段は、フリーランス オンライン 英語&日本語教師、コーチ。
関税引き上げと共に、注目された言葉
アメリカ トランプ大統領が、2025年2月4日からカナダ産品に対して25%の関税を課すとする大統領令を発令しました。
関税の話が出てきたころから、カナダ国内では、地産(=カナダ産)のものを買おうという動きが加速しているように感じます。
私の周りでも、
「アメリカの物は買わない。」
「なるべくカナダ産の物を買っているの。」
という声をちらちらと聞くようになりました。
カナダ産を買うという話題の中、Product of CanadaやMade in Canadaという単語が頻繁に出てきました。
2つの単語の違いは何だろう。
興味深いことに、この2つの単語の違いがカナダ人の間でも話題になりました。
新聞やラジオなどで、この2つの単語の意味の違いを取り上げられたりもしました。
次項では、Product of CanadaやMade in Canadaの違いを見ていきます。
Product of Canada
カナダ政府のホームページには、Product of Canadaについて以下記述があります。
“Product of Canada” claims are subject to a higher threshold of Canadian content (98%)
“Product of Canada” and “Made in Canada” Claims” Government of Canada
カナダのものを含む(=content)高い境界(=threshold)98% を条件とする(=subject to)と書かれています。
カナダで生産・製造されたものが98%含まれているとproduct of Canadaと製品に記載してもいいという意味です。

写真のはちみつは、Product of Canadaの表記があります。
ということは、はちみつを取るまでの過程の98%がカナダ国内で行われたことを意味します。
Made in Canada
Product of Canadaに対して、Made in Canadaという言葉もあります。
“Made in Canada” claims are subject to a 51% threshold of Canadian content but should be accompanied by a qualifying statement indicating that the product contains imported content.
“Product of Canada” and “Made in Canada” Claims” Government of Canada
カナダの物を51%含むことを条件としています。
加えて、輸入品(= imported content)を含むと商品に書いておくこと(= statement indicating) が、義務付けられています。

ポテトチップス Miss Vickie’sには、MADE IN CANADAのタグがつけられています。
このポテトチップスは、カナダの物を51%含むという意味になります。例えば、生産工場はカナダ国内ですが、原材料に輸入品が含まれているのかもしれません。
Grown in Canada
Product of Canada やMade in Canada以外に、スーパーマーケットでよく見かけるのが、grownという言葉です。
grownは、growの過去分詞形です。growは、「植物が育つ」という意味があります。
grow
If a plant grows in a particular place, it exists and develops there:
grow “Cambridge Dictionary“
カナダで育てられた農産物には、この表記があります。


正式には、It is grown in Canadaという受動態ですが、商品タグのスペースが限られているので、It isが省略されています。
英文法
(It is) grown in Canada.
スペースに限りがあると、主語とbe動詞が省略される傾向にあります。
カナダ国内 の企業にとっては、ビジネスチャンス?
Product of Canada, Made in Canada, Grown in Canadaという表記は、関税前見かけることはありませんでした。
トランプ大統領の関税引き上げが、カナダ人にとっては、いい意味で地産に目を向けるきっかけになったのかもしれません。
これをビジネスチャンスととらえている企業も多いように感じます。
エドモントンの老舗 映画館では、上映スケジュールの映画タイトルにカナダ国旗が表示されるようになりました。
これはカナダの映画という意味です。
他にもテレビのコマーシャルで、カナダ産をアピールしているものもよく見かけるようになりました。
関税引き上げは、悪いことばかりではないのかもしれないと、気づかされました。
これを機に、カナダ国内の企業にがんばってほしいなぁと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。