「怒る」は英語で何と言う? 【形容詞】angry, upset, madの使い分け

和英辞典「怒る」を引くと、angryやmadなどの形容詞が出てきます。angryやmadという単語がわかっても、何が違うのだろうと悩む方もいらっしゃると思います。この記事では、「怒る」の英訳 angry, upset, madという3つの形容詞についてその違いをご紹介します。参考になさってくださいね。

この記事を書いている人

言語・コミュニケーションコーチ
Leco(れいこ)

  • 教師10年目のオンライン英語講師。
  • 海外(2カ国)・日本・オンラインで教えた経験有。
  • 中高英語科教員免許・日本語教師養成課程修了の資格保持。
  • 英語・日本語どちらの視点からも文法解説可能。
目次

angryは、日常会話で、あまり使わない?

「angry」は、英語を学び始めて、最初に学ぶ感情の単語の1つです。
最初に学ぶ基礎の単語にもかかわらず、カナダで日常生活をしていると、この単語をあまり聞きません。
angryに変わる単語としてよく聞くのが、upset, madです。

upset

upsetの意味は、angryの他に、worried(=心配する)や unhappy (=不満な)気持ちが含まれます。

upset (形容詞)
worried, unhappy or angry.

‘upset’ “Cambridge Dictionary”より引用

ただ「怒る」のではなく、その「怒り」の元は、心配や不満が含まれています。

例文① His mother was upset to see him coming home late.

「母親が、息子の帰宅が遅いので、怒ってしまう。」という場面では、upsetがよく使われます。

母親は、息子の帰宅をただ怒るだけでなく、息子を心配する気持ちが含まれるからです。

例文② Don’t be upset about the cookie. I can buy one for you.

「残り1枚のクッキーを食べられた」という怒りにも、upsetがよく使われます。

ただ怒るだけでなく、クッキーを食べられた不満が含まれるからです。

upsetは、怒りの中に、心配や不満を含む時に使える形容詞です。

mad

madは、古くは精神病(mental illness) の人を指す形容詞でした。

mad

a word to describe a person who has a mental illness, which was used by doctors in the past but is now offensive

‘mad’ “Oxford Dictionary”より引用

精神病には、自分の意思でコントロールできない行動や発言が症状として表れます。それから派生して、コントロールできないような怒りを指す意味が生まれました。

mad
very angry or annoyed

‘mad’ “Oxford Dictionary”より引用

madは、ティーンエージャーがよく使う。

madをよく使っているなと感じるのは、ティーンエージャー(中学生から高校生くらい)です。

ティーンエージャーがmadを使うのは、理にかなっていると言えます。

人間の脳は20歳くらいまで発達し続けると言われています。 高校生の頃、脳の中では自我が目覚める時期です。自我が目覚めると、現状に反抗する=反抗期がやってきます。

自分の中学・高校時代を振り返ってみて、自分でもコントロールできないような怒りが体の中にありませんでしたか?

中高校生の怒りは成長と共にある。怒りを自分でもコントロールできないと、直感的にわかっているから彼らはmadを使うのかもしれません。

例文① I’m so mad!

ティーンエージャーの怒りが爆発している時は、この表現よく聞きます。

例文② Are you still mad ?

怒っている(キレている)ティーンエージャーに対して、「まだ怒っている?」と尋ねる時に使います。
尋ねているのは、友だちもしくは、ティーンエージャーの親や兄弟が考えられます。

ティーンエージャー以外がmadを使う時。

ティーンエージャー以外にも自分の怒りを、madで表すことができます。

下の例文では、Kerryが、Richardに怒っています。
理由は、the washing up (=食器洗い)をしていないから。(=not doing)。

 Kerry got really mad with Richard for not doing the washing up.

‘mad’ “Oxford Dictionary”より引用

毎日顔を合わせる人に、いつもお願いしているのにやってくれない。日々の怒りをため込んでいませんか。
ため込んだ怒りをぶちまけるように怒る時は、コントロールできないような怒りになることがあります。
ティーンエージャーでなくとも、コントロールできないような怒りがある時は、madが使えます。

angry

angryには、強い感情(=strong feeling)が含まれます。

強い感情は、誰かの態度や行動に対して(against someone who has behaved badly)。

angry
having a strong feeling against someone who has behaved badly, making you want to shout at them or hurt them:

‘angry’ “Cambridge Dictionary”より引用

さらに、angryには、悪いと思っている人に叫びたい(to shout at them)、痛めつけてやりたい(hurt them)という意味が含まれます。

angry について、ネイティブスピーカーが持つ印象。

私の夫(カナダ人 母語:英語)にangryについて尋ねてみると、以下のコメントが返ってきました。

husband

「extreme」(究極)(極端)な言葉。  
実際の生活で、そんな極端に怒ることあるかなと思ってしまう。
だから、angryという言葉を使うことに躊躇する。

angryを使うのは、幼稚園児~小学校低学年くらい。

3歳~5歳くらいの子供を観察していると、「I’m angry」と言って怒りを表していることがよくあります。
angryは、最初に学ぶ基礎の単語のひとつです。

子供がangryを使うのは、言語習得中で、言葉のレパートリーが少ないからでしょう。

子供が感じているのは、upsetやmadなのかもしれないですが、それらの言葉はまだ選択肢にないのかもしれません。(周りの大人がupsetやmadを使っていて、それを真似することがあるかもしれません。)

子供は、怒りが出てきたら、「I’m angry」と言って表します。

まとめ

angry, upset, madの意味や使用頻度をまとめてみました。

angryupsetmad
意味・強い感情
・誰かの態度や行動に対しての不満な
 感情
・不満な相手に向かって、
 叫んだり・痛めつけたりしたい
・怒りの中に「心配」や
「不満」な気持ちが含まれる
・自分ではコントロール
 できないような怒り
使用頻度・あまり使わない・よく使う・ティーンエージャーが
 よく使う

意味を基準に自分の「怒り」がどんなものか考えましょう。
自分の「怒り」に合った表現を使いましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんの英語学習が実りあるものになりますように。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次