辞書で動詞を調べると、(自)・(他)の表記が書かれています。(自)は、自動詞、(他)は、他動詞を指します。自動詞・他動詞という名前は聞いたことがあるかもしれません。でも、自動詞と他動詞は何が違うの。どうして自動詞・他動詞を知る必要があるの。疑問を持っている方もいらっしゃると思います。この記事では、自動詞・他動詞の見分け方と活用法を解説します。
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自動詞・他動詞=動詞の種類
自動詞と他動詞は、どちらも「動詞」という言葉が入っています。ですから、自動詞も他動詞も動詞です。
動詞の中に、自動詞と他動詞と2つのタイプの動詞があります。

自動詞とは?
国語辞典で、自動詞を引くと以下の定義が書かれています。
自動詞
『デジタル大辞泉』
動作主体の動作・作用が他に及ばないで、それ自身の働きとして述べられる動詞。
「を」格の目的語をとることがない。
ポイントは、「「を」格の目的語をとることがない。」です。
日本語で考えてみましょう。「を」がない文には、以下のようなものがあります。
例① 雪が降る。
例② 明日は雨だ。
他動詞とは?
国語辞典で、他動詞を引くと以下の定義が書かれています。
他動詞
その動詞の表す動作や作用が直接他に働きかけたり、他をつくり出したりする働きとして成り立つもの。
『デジタル大辞泉』
動作・作用が及ぶ対象は、ふつう格助詞「を」で表される。
ポイントは、「ふつう格助詞「を」で表される」です。
日本語では、文中に「を」があれば、他動詞です。
例:私は、英語を 話す。
英語の他動詞とは?
日本語から英語に訳した時に、「を」に当たる単語があれば他動詞です。
例:私は、英語を 話す。 → I speak English.
「を」=object
英語で「を」に当たる部分は、objectと言います。objectがあれば、動詞は他動詞になります。
辞書や参考書では、objectは省略されて、大文字Oと書かれていることがあります。
文型を表す時に使われるOです。

obejectは、名詞・代名詞です。

名詞・代名詞以外の品詞(=形容詞*、副詞、前置詞、接続詞)が来ている場合は、objectではありません。
objectがない動詞は、自動詞になります。
*以下の品詞は、その品詞の後名詞=obejctを修飾しています。
・冠詞
・名詞の前に来る冠詞+形容詞 例: A new book
自動詞と他動詞の違い
自動詞と他動詞の違いは「を」があるかないかです。

自動詞・他動詞と文型
文型を軸に、自動詞と他動詞を見分けることもできます。
文型で、Oが入っていれば、他動詞になります。
第1から第5まである文型の中で、Oがあるのは、第3文型(SVO)、第4文型(SVOO)、第5文型 (SVOC)になります。
文型 | 動詞 | |
第1文型 | SV | 自動詞 |
第2文型 | SVC | 自動詞 |
第3文型 | SVO | 他動詞 |
第4文型 | SVOO | 他動詞 |
第5文型 | SVOC | 他動詞 |
自動詞・他動詞を知るメリットとは?
メリット① :辞書で 言葉を調べることが、時短&正確になる。
自動詞・他動詞を見分けられると、辞書で動詞の意味を調べるのが早く正確になります。
たくさんの意味がある動詞があります。

辞書でsetという単語を調べたら、他動詞で14個、自動詞で8個も意味があった。どれが自分の知りたい意味かわからない。
自分が知りたい意味を見つけるために、意味を上から順番に見て行くには労力と時間が必要です。
自動詞・他動詞を知っていると情報を取捨選択できます。
自動詞や他動詞に絞って意味を調べると、情報量も少なく 知りたい意味がすぐに見つけられます。
意味を調べるには、例文にも注目する。
☝️意味を特定するには、例文を見ることも重要です。
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メリット② :正しい語順で、英文が書ける・話せる。
自動詞・他動詞を見分けられると、正しい語順で、英文が書けたり話せたりします。
言いたいことが日本語であった場合、まず動詞を引きます。



「私は、楽しい時間を過ごした。」と英語で言いたい。
「過ごす」=spendなので、英和辞典でspendを引きます。
spendには自動詞と他動詞がありますが、日本語の文に「楽しい時間を」とあるので、
他動詞の方を見ます。
まとめ
- Q. 自動詞と他動詞とは?
-
動詞をさらに細かく分けた時の種類を指します。
- Q. 自動詞と他動詞を見分けるには?
-
日本語では「を」、英語ではobjectがあるかないか。
- Q.自動詞・他動詞を知るメリットとは?
-
メリット① :辞書で 言葉を調べることが、時短&正確になる。
メリット② :正しい語順で、英文が書ける・話せる。
この記事を参考に、様々な動詞の自動詞と他動詞を見分けてみましょう。
見分けるスピードが上がると、より時短で正しい英文を書いたり、話したり、読んだり、聞いたりすることができます。英語の全ての技能を上げるには、自動詞と他動詞を見分けることがポイントです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんの英語学習が実りあるものになりますように。